動物性より植物性?

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学術的には、動物由来でも植物由来でも乳酸菌は乳酸菌。
ですので、専門家や研究者の間では、特に呼び方を変えてはいませんし、販売されている乳酸菌もとくに区別はされていません。
しかし、研究でその違いの部分がクローズアップされつつあります。
同じ乳酸菌でも、その効果や効能に差がある可能性が見えてきたからです。
今回は、そんな乳酸菌を「植物性」と「動物性」と区別してご紹介させて頂きます。

植物性と動物性

チーズやバター等の乳製品が動物性にあたります。
動物の体内(腸)や乳の中に生息している乳酸菌ですね。

植物性とは植物の表面等に生息している乳酸菌です。
植物性の乳酸菌は、ありとあらゆる場所に生息しています。
少々混乱する可能性がありますので、区別としては「動物性以外」と認識しても、あながち間違いではないでしょう。
自然界のあちこちに存在する乳酸菌、それが植物性乳酸菌です。

植物性と動物性の違いは?

動物性乳酸菌は、非常に贅沢な環境で生活している乳酸菌です。
「乳」は栄養面に優れ、同種族であればアレルギー反応も出にくく、赤ちゃんにとっての恵みの食品です。
その乳の中に生息している乳酸菌は、住んでいるところが快適すぎて、他の環境では生きていけません。
しかも、デリケートな性質を持っており、乳の成分が変わっただけで、その生育に影響がでてしまいます。
ビタミンやミネラルが豊富に含まれていなければ、きちんと生育してくれない、贅沢な乳酸菌といっても良いでしょう。

さらに、動物性乳酸菌の特徴として、他の菌と共存しにくい性質があります。
自分たちだけの世界であれば、健やかに育つのですが、他の菌が混ざった状態では生育に影響がでてしまうのです。
その性質は、他の菌の侵入を撃退するほど強く、他の菌が共存をもとめて浸食してきたとしても、ポジションを譲らず、バリケードを張って撃退しようとします。
このように、動物性乳酸菌は、とても仲間意識の強い菌なのです。

対して、植物性乳酸菌は、葉っぱの表面など、自然界のいたるところに生息しています。
動物性乳酸菌とは違い、少々環境が変化しても平気です。
動物性乳酸菌に影響が出る濃度の塩分や、高い糖度の養分の中でも元気に過ごせます。

さらに、他の菌が近くにいても、まったく気にしません。
動物性乳酸菌と比べた時、より高いサバイバル能力を発揮しているのが、植物性乳酸菌です。
従って、乳のような環境の中にいなくても、なんでも食べて生き残ります。
その証拠に、白菜や大豆の中で元気に育ち、キムチや納豆として私たちの食卓を彩ってくれます。

植物性乳酸菌は利用しやすい乳酸菌

乳酸菌の歴史は古く、5000万年前の人類は、すでに乳酸菌を活用していた事が判明しています。
生活環境を管理しなくても、簡単に発酵し増殖してくれる植物性乳酸菌は、現代ほど科学・化学が進んでいない時代の人達でも扱いやすい物だったのでしょう。

さらに、植物性乳酸菌は、動物性乳酸菌よりも屈強なので、生きたまま腸まで到達する可能性が高くなります。
その可能性を裏付けるように、古来の人々が、発酵食品を保存食としてだけではなく、薬として利用していた記録が残っています。
古代の人々にとって、植物性乳酸菌は、無くてはならない貴重なものだったのです。

植物由来の乳酸菌で毎日を健康に!

植物性乳酸菌は生きたまま腸に到達する可能性が高い乳酸菌です。
「納豆やキムチ等を、食事に取り入れて腸を整える」という考え方は、とても理にかなった方法ですね。
動物性乳酸菌だけではなく、納豆やみそ汁等の和食に含まれる乳酸菌も、意識して取り入れる事で、腸内環境をより良い方向に整えられるのではないでしょうか。