乳酸菌と血糖値の制御

画像の説明

人間の免疫細胞を活性化させてくれる乳酸菌。
多くのメディアや書籍で紹介されている、とても有名な菌ですが、その乳酸菌が糖尿病の予防に効果を発揮するかもしれません。
日本人の食生活が豊かになり、欧米諸国の食文化が広まるにつれ、糖尿病患者の数は増大しています。
乳酸菌の糖尿病に対する効果が解明されれば、糖尿病患者の回復への光になるかもしれません。
今回は、乳酸菌による糖尿病防止効果について、皆さんにご紹介させて頂きます。

乳酸菌摂取による血糖値上昇の抑制

ラットを使った研究で、乳酸菌によって食後の血糖値上昇が抑制されたとの報告があります。
ラットを2つのチームに分け、片方のチームに市販の粉末飼料を与え、もう片方には粉末飼料の2%に乳酸菌を付加したものを与えました。
その飼料を2週間(14日間)摂取させ、さらに12日目と14日目には「ブドウ糖」を追加摂取させて、食事後に採血し、その血糖値を測定する方法を実施したとの事。
結果、乳酸菌を与えたチームのラットで、食後の血糖値上昇が抑えられていたそうです。
この実験で与えた乳酸菌は「L.rhamnosus GG」と呼ばれる乳酸菌で、人間用の健康食品にも入っている乳酸菌です。

重度の糖尿病患者にも良いのか?

この点に関しては、誤解のないように注意が呼びかけられています。
「L.rhamnosus GG」の働きを得るためには、一定の期間摂取し続ける必要があります。
さらに、ラットが2週間で効果を感じられたからと言って、人間も同様の期間で効果を感じられるとは限りません。
また、糖尿病を完治させる効果は認められていません。
あくまでも、「糖尿病を予防する効果」を発揮してくれたという話です。

従って、重度の糖尿病患者にっとって、害になる事はありませんが、その症状を劇的に回復させるものでは無い事を理解する必要がありそうです。
通常の糖尿病治療を続けながら、乳酸菌を継続して摂取するなど医師との相談の上で、段階に応じた対応が求められるでしょう。

さらなる解明に期待!

乳酸菌の糖尿病に対する薬のような効果は期待できないでしょう。
とはいえ、その予防に効果的である事は明白です。
糖尿病予備軍に入る可能性を感じている人達には、うってつけの健康食品ではないでしょうか。